臨床工学技士とは、現在の高度な医療を行う上で必要不可欠な医療機器のスペシャリストです。今後、より一層高度化していく医療機器の安全や技術向上の担い手として重要な役割を果たしています。
現在当院では、12名の臨床工学技士が在籍し、業務内容は「血液浄化業務」「内視鏡業務」「医療機器管理業務」等を担っています。患者さまにより安全で質の高い医療を提供するために、チーム医療の一員として多職種と協力し業務を行なっています。
当院では、平成22年度より血液浄化治療を開始、血液透析療法や血液吸着、腹水濃縮濾過再静注法を行っています。医師や看護師と連携し、専門性を生かして個々の患者さまに合わせた治療を目指しています。
血液透析では、シャントへの穿刺から返血までの臨床業務のほか、患者さまの治療に関する疑問にお答えするなど、患者さまに近い存在で様々な指導を行っています。また、on-lineHDFやI-HDFなどには欠かせない透析液の清浄化も担っており、機器の面からも合併症を予防するべく最善を尽くしております。
腹水濾過濃縮再静注法では、癌や肝硬変などによって貯留した腹水濾過器により、細菌や癌細胞などを取り除き、アルブミンなどの有用なタンパク成分を回収し、静脈注射にて体内に戻すという治療の大部分を担っています。
内視鏡業務では、当院外来部門で行っている上部消化管内視鏡検査および下部消化管内視鏡検査に従事しています。検査がスムーズに行われるように医師の補助を行うほか、電子スコープの洗浄や環境整備なども行っています。また、セミナー参加や資格取得にも取り組み、知識や技術の向上に努めています。
医療の進歩に伴い、医療機器も高度化、複雑化しています。当院では血液浄化に関わる患者監視装置はもちろんながら、シリンジポンプ、輸液ポンプ、心電図モニタなどの定期点検や修理業務を行なうとともに、医療安全の観点から院内にてＭＥ機器の勉強会や情報提供を行っています。
新人1名につき1名のスタッフが教育を行うプリセプター制度を導入しております。カリキュラム及びマニュアルが完備されており、進捗状況に応じた教育を実施しております。また、科内でのコミュニケーションを大切にしており、日々の些細な不安や疑問も即座に解決できる環境作りを心掛けております。
主な業務
調剤業務とは、医師からの処方箋をもとに、薬の調剤を行う業務のことです。調剤時には、医薬品を調合するだけでなく、医師の処方内容が適切であるかという「処方監査」を行います。さらには、患者さまの薬剤処方歴（薬歴）を確認するとともに、複数の薬を処方する場合には相互作用についても確認します。
患者さまが薬を適切に服用できるように、また退院後に自宅できちんと服薬管理ができるように定期的に病室を訪問し服薬説明を行っています。
月1回、その月の最終週の月曜日に開催しています。
薬剤科の他に院長をはじめとする当院の医師や看護部長、事務長、事務次長、医事課係長が参加します。
院内で保管している薬剤の在庫の管理、ジェネリック薬品や新たな薬剤の採用について検討しています。また、関連病院と採用品の統一化を図り、関連病院間での患者さまの紹介、受け入れをよりスムーズに行えるよう取り組んでいます。
外部講師を招き医薬品の勉強会を開催しています。
院内の職員全体に向けた講習を月2回、薬剤科と医師が参加して行う講習を月2回行っている他、ショートレクチャー講習として短時間の講習も開催し、職員の知識の向上に努めています。
